いたって静か

別れの後の静かな午後

別れの後の静かな午後

短編集。いつも通り、中年で編集の仕事をしている男性が主人公なのが大半。だけど飽きないから不思議。暗いんだけど、それだけではない。希望に満ち溢れているわけでも慈愛に満ちてるわけでもないけど温かい。表題作の『別れの後の静かな午後』がめっちゃいい話です。自分にとって一番大切な人をどう見つけるか、というより気づけるのかちょっと不安。今回はいつもより、少しだけ幸せな終わり方が多いかな。しかし、この作者さんの話はなんでこんなに静かなんでしょうね。熱いめらめらした感じがない。そういう感情をオブラートに包んでるみたい。安心して読める、という感じではないけど気負いは必要ないです。