天使はどこにもいない
- 作者: 近藤史恵
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2005/02
- メディア: 新書
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悪い芽
世のお父さんは、きっと同じようなことで悩んでいるのだろう。私も今だにイマイチお父さんとは仲良くなりきれんてないし。悪意と善意を履き違えた人っていうのはどこにでもいるものですね。
鍵のない扉
この話の主人公のくるみが、かわいい服装が似合う子に「似合うからいいよね」とコンプレックスのかたまり、そして妬みを感じることを思う場面があります。でも、その一方できれいにした女の子を見ると楽しくなる、とも思ってる。これって、めっちゃ共感。自分の容姿に自信がないと、「こんなかわいい服着ても似合わんし、キャラちゃうわ」って思ってかわいい服を着ないのです。だけど、きれいな子やおしゃれな子を見るのはものすごく楽しい。だから、かわいい子と買い物に行って、「これ似合う〜」って言って、かわいい服を買わせるのが好き。小説の内容に全然関係ないですが。心理描写がすばらしかったです。
オーバー・ザ・レインボウ
男があほすぎる。こんなやつ絶対ヤダ。話はだいたいよめる感じ。
きみに会いたいと思うこと
やっと大介登場。存在を忘れかけてたよ。キリコのがんばりが痛々しい。一から十まですべてのことを完璧にできる人なんかいないわけで、キリコのすごさがよく現れている話でした。ミステリというより、家族小説という感じでした、この話は。
ここでは大介の祖母の介護をキリコがしている、という設定が出てるのですが、ヘルパーを頼もうが頼まないが、どちらにしても介護をできる人はえらいです。昔、「親の介護をすることは日本の美徳」というようなしょーもない発言をさらにしょーもない国会議員がしました。そのとき子どもながらに私は「じゃあ、おまえが親の介護やってんのかよ?どうせ奥さんや他の人に押し付けてるんやろ」と思ったものです。私は将来、絶対親の介護はしません、というよりできません。でも、施設に入るなりハウスキーパーや介護福祉士を雇うならばお金は出します。これが私なりの介護です。介護は、すごく大変なことです。他の人の助けなしに一人でできるものではありません。だから、一人ですべてを背負っている人はえらいです、だけど、一人でする必要なんてまったくない。使える助けは全部使わないと。文句ばっかり言って、自分でなんもせん人が嫌い。私はそういう人間だけにはなりたくない。
この小説は、ミステリ的にも楽しめるし、それだけでなくてそれ以上のいろんなことを考えるきっかけになる。ええ話やなぁ。自分のだめっぷりを突きつけられてつらかったです。もうちょっとがんばらんと。